愛するがゆえ5。〜僕らで育てる華・4(後編)〜

 

◆出産◆

ドラコを突然襲った激痛は、陣痛の始まりだった。

臨月まで成長した胎児は、薬の投与から一週間で表に出ようともがき出した。(母体のピンク妄想に、ついていけなかったのかもしれない)

ネビルの悲鳴を聞きつけて、マルフォイ家の使用人が集まり、ドラコの出産の準備をテキパキと始めた。

彼らには内緒だが、ドラコの出産が無事に終わった直後に、彼らの記憶は抹消される手はずになっている。

出産に立ち会う経験など全く無いネビルは、どうしていいのかわからずに、ベッドに苦しそうに横たわるドラコの手を握って、傍にいてあげる事しか出来ないで居た。

「ドラコ・・・・・大丈夫?痛い?」

心配や、不安が入り交ざった表情で、それでも一生懸命に正気を保とうとしているネビル。

そんな彼の優しさが嬉しくて、ドラコは弱々しい笑みでネビルを見据えた。

「・・・・・ネビルの子だ・・・・頑張って、元気に産んであげなくては・・・」

痛みで汗の滲んだ顔で、ドラコは答える。

「うん・・・・でも、痛いんだよ・・・・・僕本読んで勉強したの・・・・・・・鼻からスイカが出るくらい痛いんだって」

ドラコの為を思ってか、ネビルは本で読んだと思しき知識をドラコに聞かせ始めた。

ドラコの顔が少し引き攣った。

「生理痛の100倍だっていう話も聞いたの・・・・でも僕、生理痛ってわからないんだ・・・・ごめんね」

申し訳なさそうに謝るネビルに、ドラコの顔が歪む。

「あとね、初産って難産が多いらしいから・・・・気を付けてね?長い人は、何十時間もかけて子供を産むんだって」

そんなの・・・気をつけようが無い。取り合えず、お腹の子・・・1時間以内に出てこなかったら、殺す。ドラコは心の中で毒づいた。

「それに、男の人は女の人よりも痛みに弱いらしくて・・・・ドラコ、ヒッポグリフの爪で引っかかれたとき、凄く痛がっていたでしょう?僕、心配で・・・・」

心底心配そうに言うネビルの言葉に、ドラコの顔は蒼白になっていた。

ドラコを安心させる為にネビルが選んだ言葉は、完全な失敗。

ドラコの中の不安と恐怖を、悪戯に・・・それも莫大に増殖させた。

「大丈夫??駄目だったら、言ってね?僕何も出来ないけど・・・」

そんなドラコに気付かないネビルは、ドラコを元気付けようと延々知識を披露した。

 

結局それから数時間後。ドラコはなんとか無事、元気な男の子を産んだ。

 

 

 

◆命名◆

薄暗い部屋。

つい2時間ほど前まで、呻き声と泣き声と、意味不明の言葉の喧騒に満ちていた部屋は、今は静けさを取り戻している。

ドラコは未だ下半身に残っている痛みと、全身の倦怠感にぐったりとベッドに横たわっていた。

その隣には、ネビルがぴったりとくっついている。

ドラコが小さく身じろぎをすると、ネビルはドラコの額に自分の額をつけるくらいにくっついて、その顔を覗き込んだ。

「・・・・・大丈夫?」

心配そうにそう問うネビルの方が、辛そうな顔をしている。

「あぁ・・・・大分、落ち着いた」

そう言って、ドラコが笑みを向けるとネビルは安心したように微笑んだ。

「良かった」

ネビルはにっこり笑って、ドラコの頬にキスをする。ドラコは瞳を閉じてそれを受け止めた。

そしてそのまま、ドラコは上体を起こしてベッドに座り、ネビルの唇にキスをした。

「・・・・・・・起きて大丈夫?」

キスを受け止め、少しうっとりとした表情で・・・でもその中に濃い心配を覗かせて、ネビルはドラコを労わった。

ドラコはネビルを安心させる笑みで微笑み、頷いた。

「ドラコ・・・・・・・頑張ったね・・・お疲れ様」

ドラコの答えを聞いても、尚も心配そうな顔をして、ネビルはドラコの頬に手を触れた。

「・・・・・・・・・泣くなよ」

ネビルの頬に同じ様に自分の指を添え、ドラコは苦笑した。

ネビルの頬からは、その言葉通りに涙が静かに流れていた。

「・・・・うん・・・・・・・ドラコ・・・・ありがとう・・・・僕の子供、産んでくれて・・・・・僕、嬉しい・・・凄く、凄く、嬉しいの・・・」

ドラコの肩口に顔を埋め、ネビルは更に泣き出した。

ずっと我慢していた緊張の糸が、いっきに途切れてしまったようだ。

泣き虫のネビルが、自分を不安にさせまいと堪えていた涙。その綺麗な雫に、ドラコの胸にも喜びが込み上げてきた。

自分が間違いなく生んだ赤子は、2人の愛の証。

この先、何があっても切れない2人の絆を、気まぐれな神が与えてくれた事に、2人は心から感謝した。

 

「名前を・・・決めなくてはな」

ネビルが泣き止むまでその身体を静かに抱き締めていたドラコは、自分の腕の中で落ち着きを取り戻したネビルに声をかけた。

「うん・・・・・ドラコは、何か考えていた?」

ドラコに身体を預けたままで、ネビルは少しだけドラコを見上げて、そう聞いた。

「・・・・いや、僕は出産(+くだらないピンク妄想)でいっぱいいっぱいだった」

少し申し訳なさそうにそう答えたドラコに、ネビルはくすっと笑った。

「そう・・・・あのね、僕・・考えていた名前があるんだけど・・・」

少し恥ずかしそうにそう言ったネビルに、ドラコはにっこり微笑んだ。

「それは頼もしい・・・・素敵な親になれるぞ?」

少し冗談めかして言ったドラコを、ネビルは「もぅ」と小さく小突いた。

「・・・・・・・・・・・・『Hana』・・・JapanでFlowerの意味なんだけど・・」

それから、気を取り直してそう言ったネビルは、ポケットから杖を取り出して、空中に不思議な記号を描いた。

縦横に5本ずつ、それぞれ長さの違う線。

 

『華』

 

「・・・・・こういう字を書くの」

そう言って、少し恥ずかしそうにドラコを見上げた。

きっとネビルは、何日も寝ないでこの名前を考えたのだろう。

きっとこの字を、この日の為に何度も練習したんだろう。

ドラコの胸を嬉しさと喜びが支配する。

「決まりだな」

自分を不安げに見上げているネビルに、ドラコは極上の笑みでそう答えた。

途端、ネビルの顔にも花が咲いたような笑顔が浮かぶ。

「へへ・・・・ドラコが気に入ってくれて良かった・・・・・・・『ハナちゃん』かぁ・・」

嬉しそうにそう言って、くすくす笑うネビル。

ドラコはなんだかくすぐったい。

子供を産んで、親になった自分たち。恋人と言う関係は終わってしまったけれど、これからは夫婦として親として、生きていくのだと思ったら、なんだか照れくさかった。

 

「そういえば、ドラコはまだハナを抱っこしてないよね?」

それからネビルは、笑顔のままでドラコを見上げてそう言った。

「あぁ・・・・そうだな」

ドラコはそれに苦笑した。

情けない話だが、ドラコは出産を終えた直後に意識を手放してしまった。

男である自分には一生縁の無いはずだった出産を経験し、それを無事終えた途端に緊張の糸が切れてしまったのだ。

さっきから、自分のベッドの横に置いてある真新しいベビーベッド。

その中に居るであろう我が子。

その事を気になっていなかったわけじゃなかった。

「待ってて、連れてくるね?」

そう言って、ドラコの答えも聞かずにネビルはドラコの腕の中から抜け出していた。

そしてベビーベッドの中に手を差し入れ、ぎこちない動作で我が子を抱き上げた。

「寝てたのに、ごめんね・・・・・・君の名前は、ハナですよ〜・・・気に入ってくれると良いな」

ネビルは嬉しそうに我が子に話しかけた。

ネビルの腕の中で、ハナは小さな口をめいっぱい開けて、あくびをしている。

「はい、ハナくんのパパですよ〜・・・・はじめまして、よろしくね」

楽しそうにそんな事を良いながら、ネビルはドラコの前にハナを差し出した。

差し出されるまま、ドラコは緊張しながらハナを受け取った。

小さくてサルみたいな初対面の我が子は、小さな口と鼻で一生懸命息をして、まだ見えない瞳をぎゅっと瞑っていた。

「・・・・・小さい」

ドラコは、率直な感想を零す。

「うん・・・・でも、僕もドラコも生まれた時はこんなだったんだよ?」

ネビルはドラコに寄り添って、微笑んだ。

「なぁ・・・・・ネビル?」

腕に抱いたハナの顔を見詰めたまま、ドラコはネビルに話しかけた。

「なぁに?」

ネビルもハナを見詰めたまま、答える。

「・・・・・僕がパパ?・・・・・ママの間違いじゃないのか?」

少し恥ずかしそうなドラコの声に、ネビルもつられて赤面してしまった。

「え・・・・・・・・・でも、変じゃない?」

それから、おずおずとドラコを見上げるネビル。

「そうか?・・・・まぁ、確かに・・・・変かもしれないけど」

ドラコも困ったようにネビルを見て、ほんのりと頬を朱に染める。

確かに、今までの自分たちの関係から言ったら、ネビルの位置づけは間違ってはいない。しかし、今腕に抱いているこの子は確かに自分が生んだ子で・・・・なんだか複雑な問題だ。

「そうだよ、ドラコがパパで僕がママ、・・・ね〜ハナ?その方が良いよねぇ?」

気まずい空気に耐えられなくなったのか、ネビルはドラコから視線を外してハナの頬を指でくすぐる。

ハナはまるでネビルの言葉を理解しているように、嬉しそうにニッと笑った。

愛しい人との間に生まれた子供。

不安もたくさんあったし、今も残っているけれど、ドラコはこれからの楽しいであろう人生に思いを馳せる。

こんなに幸せな気持ちになって、愛しい人が喜んでくれる。家族が増える。

この幸せの為だったら、あと1人くらい生んであげたくなってしまう。そんな自分が、少し怖い(本当にな)。

 

 

 

      命名2◆

ドラコとネビルの間に生まれた子供の名は、「ハナ」に決まった。

そして残った問題は・・・

 

「ロングボトムです!どういう経緯であれ、父親はネビルなのですから!」

「しかし、マルフォイの家の子です!」

 

ファミリーネームだった。

ドラコの出産に関わった使用人全ての記憶を消し終わった直後から、この論争が始まってもう3日。

祖母もルシウスも、ハナに跡目を継がせようと必死だ。

何しろハナの両親は2人とも、由緒正しい純潔の魔法族。しかも、どちらも跡取り息子で一人っ子。

男同士ならではの問題が、ここに持ち上がっていた。

 

しかし、当のドラコとネビルはこの事に関してあまり興味が無い。

ハナの中に流れている血が、ゆるぎなく自分たちの子の証として存在しているのなら、苗字なんてどっちでも良いと考えた。ゆえに、当事者であるはずのハナ、及びその両親はこの話し合いに参加していない。

 

「・・・・・あら、まだ話してらしたの?」

のほほんとした空気を纏って、険悪な空気の中に現れたのはナルシッサ。

彼女の佇まいを見ていると、真剣に話しているのが馬鹿らしくなる。

反目しあっていた祖母とルシウスは一時休戦とばかりに、口論を止め、とうに冷め切った紅茶のカップに手をつけた。

2人が紅茶を飲み終わっても、ナルシッサは2人の傍を離れなかった。

にこにこと2人の顔を交互に見詰めて、なんだか楽しそうだ。

「私、とっても良い事を思いつきましたわ」

そして唐突に、両手を胸の前で合掌させてそう言った。

一体何を・・・?と、祖母とルシウスは、困った顔でナルシッサを見た。

彼女の考える事は、いつも常人には計り知れない。

「お2人とも、喧嘩なさらないで・・・・いっその事、両方お付けになったらどうかしら?・・・そうしたら、皆さんで仲良く暮らせるでしょう?」

祖母とルシウスは、目を見開いてフリーズしてしまった。

ナルシッサ発、天然爆弾投下(笑)

 

結局、更に3日経っても2人の話し合いの決着がつくことはなかった。

出生届提出期限の夕刻に、ハナの出生届の書類はドラコとネビルの子供として、『ハナ・ロングボトム・マルフォイ』として、魔法省に提出されたのだった。

 

 

 

◆夫婦◆

ドラコが最初にネビルの薬を飲んだ日から、きっかり一ヶ月で薬の効果が切れた。

そしてようやく本来の自分の身体を取り戻したドラコ。

ピンクの妄想に長い間耐えてきたドラコは、その日の晩に早速ネビルに圧し掛かった。

「・・・・・・全く・・・お父さんになったのに、ドラコはちっとも変わらないんだから」

そんなドラコを見上げて、ネビルは困ったようにくすくす笑った。

なんだか妙に余裕のあるその言い方に、ドラコの脳裏には以前見た忌々しい夢が蘇る。

「なんだよ・・・・ネビルは、平気だったとでも言うのか?」

少し拗ねて、そう言ったドラコ。「誰かと寝ていたのか?」という台詞を、やっとの事で飲み込んだ。

「まさか・・・欲求不満で狂ってしまいそうだった・・・・ドラコ、君が・・・・・欲しかった」

薄闇の中で、ネビルは情状的に囁いて、珍しく自分からドラコの唇を深く奪っていく。

その飢えた仕草は、ドラコの癇癪を少しだけ和らげた。

薄暗い部屋に、いやらし水の音だけが響く。

何度も角度を変えて、深く交わっていく2人。

久しく遠ざかっていた快楽への階段を、手を繋いで駆け上っていく。

長い時間キスをし続けた後、ドラコは唇の位置をネビルの唇から、首筋へと移動させた。

ネビルは少し不満げに、ドラコの熱から開放された唇を、舌でぺろりと舐め上げた。

「あっん・・・・ドラコ・・痛い・・・・・そんな強く・・・噛まないでっ・・」

ネビルに飢えたドラコの仕草は、いつになく乱暴で急速だった。

白くて細いネビルの首筋を、何度も吸い上げ歯を立てる様は、まるで獣だ。

ネビルが諌める声も、今はドラコの欲情を煽るだけ。

 

「あっやぁん・・・・ドラコぉ・・・意地悪しないでぇ・・・・」

乱暴にネビルの衣服を剥ぎ取って、ドラコの愛撫は下降していく。

それなのに、ネビルの胸にある2つの突起・・・その肝心な場所に触れてくれない。

焦れたネビルが催促しても、聞き入れてはくれなかった。

「んっもぅ・・・・お願い、触って?・・・・・・ドラコ・・・」

もどかしい愛撫に泣き出したネビル。

涙を零しながら、ドラコを見上げた。

「・・・・ドコを?」

一心不乱にネビルの肌を弄っていた手を止めて、ドラコが真剣な顔でネビルを見据えた。

その視線の冷たさに、ネビルの背筋をぞわぞわと駆け上がっていく快感。

「・・・・・・ここ、・・・・お願い・・・ドラコの指で、口で・・・・いっぱいして欲しい・・・」

ネビルは泣きながら、自分の指で片方の突起を摘み上げ、一生懸命にドラコに愛撫を促す。

その貧欲な姿に、ドラコの顔が歪む。

「素直なネビルが好きだ」

ドラコはそう言って先刻までの意地悪な態度を一変させて、ネビルの胸の突起に唇を寄せた。

「ああっ・・・・んあ・・・ドラコ・・・あぁ・・・」

ようやく与えられた快楽に、ネビルは嬉しそうに背を反らす。

ネビルが自分で摘み上げた方の突起は、その上からドラコの掌に拘束されて、まるで自慰のように自分自身で愛撫を施す事を余儀なくされた。

「・・・・気持ちいいか?」

ネビルの胸に顔を埋めたまま、ドラコが問いかけた。

吐き出された吐息も、言葉を紡ぐたびに動く舌や唇も、ネビルに快楽しか与えない。

「・・・・・・いぃ・・・」

ネビルは細い身体を絶えず震わせて、小さく答える。

「・・・僕以外に、こんな可愛い姿を見せるなよ?」

そう言ったドラコの顔が、少しだけ寂しそうだった。

ネビルは微笑んで、ドラコを見据えた。

「うん・・・・見せないよ・・・・・僕の旦那様は、ドラコだけだもん」

にっこりと微笑むその姿に安心したのか、ドラコはネビルの唇を再び塞いだ。

 

久しぶりの深い挿入は、お互いに少し苦しかった。

改めて自分たちの関係の背徳を強く感じる。

しかし、2人にとってこの行為は既に必然。

「浮気するなよ」

「ドラコ・・・こそ」

お互いの身体を掻き抱いて、溶けてしまいそうに熱い身体を傍に感じる。

砕けてしまいそうな腰を、もっと深く交わらせて居たくて、無意識に押し付ける腰からは快楽の証の蜜が滴った。

吐息に混じって交わす他愛無い約束は、真っ直ぐな視線で交わされる。

かけがえのない相手だから。

何度でも約束をして、身体を重ねて、愛を深めていく。

愛しい人と過ごす時間は、例え喧嘩をしている時でも、一瞬一瞬が大切だから・・・愛し合う時間の密度は、濃いほうが良い。

「・・・・・あっ・・・・ドラコ・・・出して、中に・・」

ネビルが何度目か知れない限界を感じて、ドラコを促す。

それに答えるように、ドラコはネビルの中に深く自身を抜き差しをした。

「あああぁっ・・・ああん」

ネビルが甲高く鳴いたのとほぼ同時に、体内に吐き出されたドラコの熱。

お互いの精液でベタベタになった身体。

それすらも愛しいと感じてしまう瞬間。

「愛してる」

そして、いつも囁くこの言葉。

まるで魔法のように、ゆっくりと肌の下へと吸い込まれていく。

幸せを感じる、この刹那。

 

 

「・・・・お風呂、入りたいね」

行為の後に、抱き合って静かに過ごしていると、ネビルがポツリと言った。

その言葉に、ドラコも頷く。

「そうだな・・・・朝は、時間が無いだろうし」

ハナが生まれてから、2人の朝はいつもてんやわんや。

朝日が昇れば、2人の仕事は「愛を囁く事」ではなくなる。

「ネビル・・・先に入ってきて良いぞ?」

ドラコがそう言って、ネビルの額にキスをした。

「・・・・・・・・・うん・・・」

ネビルは何だか迷っている様子だ。

ドラコが自分を最優先に考えるのが、嫌だったのだろう。

いつまで経ってもネビルは、ドラコに守られることを拒む。

「遠慮しないで、入って来いよ」

苦笑したドラコがそう言うと、ネビルは小さく頷いて、のろのろとベッドから抜け出した。

その姿をドラコはじっと見詰める。

薄闇に浮かぶ白い身体。少し病的に細い、愛しい身体。何度見ても、何時間見ても、飽きない愛しい身体。

バスルームへと消えていくのかと思われたその身体は、まるでドラコの視線の見えない糸に縛られてしまったかのように、突然ぴたりと歩みを止めた。

「・・・・・ネビル?」

不思議に思ってドラコが問うと、ネビルは振り返らずに声を発した。

「・・・・・・・・・・ドラコ、来て・・・」

何かあったのかと、ドラコは素早くベッドから降り、ネビルの傍へと歩みを進めた。

「どうした?」

後ろから抱き締めるようにして、ネビルを包んで顔を覗き込む。

「・・・・・・・・・やっぱり、一緒に入って?・・・良いでしょう?」

少し甘えた声でそう言って、振り返ったネビル。

顔が羞恥で真っ赤に染まっていた。

 

嫌だ・・・と、拒んだのはネビル。

行為の後は、恥ずかしいから嫌だと、はっきりきっぱりドラコを拒絶した。

それ以来、ドラコはほぼネビルのその意思を尊重してきた。(何度か破った事はあったけれど。)

「・・・・・しかし・・・」

困惑するドラコに、ネビルは真っ赤な顔のままで付け加えるように言った。

 

「だって僕たち、夫婦でしょう?」

 

その言葉の正当性に、ドラコはにやける顔を抑えられない。

「そうだな」

答えを返すやいなや、ネビルの身体を抱え上げて意気揚々とバスルームへと歩いていった。

 

 

「入れるぞ?」

どこか楽しげなドラコの声に、ネビルは小さく頷いた。

彼は今、バスタブの角に腰を下ろして大きく足を開いて、ドラコと対峙していた。

ドラコは優しい笑みをネビルに向けて、眼下に晒された蕾へと指を差し入れた。

「あ・・・・・・・・んん・・」

さっきまでそこへ咥え込んでいた猛りとは段違いの太さではあるが、やはり感じる快感は同じ物。ネビルは、思わず漏れてしまう声を、唇を噛んで耐えた。

「声、抑えるなよ・・・・切れた唇は、毒々しくて好きじゃない」

困ったようにそう言って、ドラコはネビルの唇にキスをして、噛んでいた歯を舌であやすように離させる。

「ん・・・はぁ・・・はぅん・・・・んっあっ・・・・」

キスの間も指を動かすドラコに、ネビルの身体は素直に震えた。

性感帯を刺激されれば、生理現象でネビルの股間のモノは自然と立ち上がる。

それに気付いたドラコは、ネビルの唇を開放し、今度は立ち上がって大きくなった股間へと顔を埋めた。

ちゅぷり・・・とやけに可愛らしい音を立て、ドラコの唇に飲み込まれたネビルのソレ。

巧みな舌先は、皮の被っていない敏感な先端を執拗に愛撫する。

「ひぃ・・・・んん・・・・やっ・・・だめ・・・・・そんな・・・の、・・・・・」

ネビルの腰が逃げようとするのを力で押さえつけ、ドラコは前後からネビルを快楽へといざなっていく。

ネビルの抵抗を封じたドラコは、更に激しくネビルを攻め立てた。

熱い口の中に、敏感な部分を押し込まれ、吸われ、舌で舐め回されて、ネビルの口から喘ぎが止まらなくなる。

それでなくても蕾に差し込まれた指は、今や3本に増やされて中を縦横無尽に動き回っている。ドラコの放った白濁の液が、指に絡まり外へと溢れ出てくる。

「も・・・出るぅ・・・・・・・・っっ!!」

声にならない悲鳴をあげて、ネビルは果てた。

力をなくしたその身体を、ドラコは優しく抱き寄せて湯につける。

 

「可愛いな・・・・・どうしてネビルは、風呂場ではこんなに初々しいんだ?」

意地悪くそんな事を言うドラコに、ネビルはもう怒る気力も無い。

「・・・・・・・お馬鹿・・・ドラコがエッチすぎるんだよぉ・・・」

それでも悪態だけは忘れない。

「愛の重さだと思えよ・・・僕の愛は、底なしだからな・・」

くすくすと楽しそうに笑うドラコに、ネビルは呆れた。

自画自賛も良いところ・・・・言うに事欠いて、そんな責任転嫁は卑怯だと思う。

でも・・・・・・ドラコの事だから、きっと本心なんだろう。

それを知っているネビル。

まどろむ意識の中で、にっこりと微笑んでドラコの胸に身体を預けて目を閉じた。

 

To be continued‥‥。

 

チヨリンおかしな会話集。

千夜「・・・今回、少し頑張ってみました」

凛「(笑)確かに!!」

千夜「やっとハナたん書けて満足です☆」

凛「・・・・・・・そうかい?これからでしょう??(爆)」

千夜「煤i ̄Д ̄;)!!!」

↑の深月さんの台詞に入る言葉は、次のうちどれでしょう??

1 なんですと〜!?

2 忘れてた〜!!

3 ぽんぽこぽ〜ん☆

回答者の方全員に、深月さんから素敵なお年賀が届きます(笑)by凛

2005・01・04 蒼向上委員会

 

 

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